〜 3月便り 〜

  日差しが少しずつやわらかく、暖かくなってきました。町を歩けば、毎日のように見掛ける引越し屋さんのトラック。出会いと別れの季節、3月です。粉雪舞い散る卒業式。もう少しで咲きそうなのに・・・、とつぼみが大きくふくらんだ桜が目に焼き付いた入学式。そして就職、退職、と、自分自身もつい色々なことを思い出してしまいます。この時季は、転職や退職で北島のお酒をお使い頂くことも多く、大切な贈り物に選んで下さって本当に有難い限りです。3月は別名「夢見月」とも言うとか。新しい環境に夢を見るのか、はたまたやわらかい春の光にまどろむのか、何て素敵な別名でしょうと思いきや、暖かくなって眠気を誘うという理由からとのこと。なーんだ。

  先月は待ちに待った4年に一度の冬季五輪でした。「超」が10個以上付くほど運動音痴で運動嫌いの私が唯一好きなのが、フィギュア・スケート。今年は特にテレビに釘付けにされました。開催地がイタリア、トリノということで、選手の使う曲や衣装は、イタリアの作曲家やイタリアの映画由来のものだったりして、トリノを意識して戦い抜いてきた選手たちの意気込みはもちろん、イタリア文化のものすごい層の厚さが感じられました。長野五輪の時、世界の選手は日本をモチーフにした演技をしたりしてたっけ・・・?なかなか思い出せず、記憶力の衰えを感じる今日この頃。イタリアにはワイン、エスプレッソ。日本には日本酒。世界の人々にはもちろんですが、何より日本に暮らす私たち自身の意識に、イタリア人にとってのそれのように、もっと誇りと愛情を・・・!と強く思う冬でもありました。

  4年に一度、とは言いませんが、年に一度のお楽しみ ― 「直(ちょく)」。おかげさまで今年、3年目を迎えることが出来ました。その日一度限りの勝負ゆえ、また、一切手を加えない本当の生酒ゆえ、皆様に喜んで頂けるお酒に仕上がるかどうか、毎年実は内心ドキドキ。幸い、「美味しかった」というご感想のメールやお手紙をお客様から多く頂戴し、ホッとしております。中には、額に入れて飾ろうかと思うほど達筆なものまであり、これらお客様からのお便りには、本当に励まされ、感謝の思いでいっぱいです。今年より来年、来年よりさらに次、と年々進化していくお酒でありたいと、そして、「そろそろ直(ちょく)の季節・・・」と思って頂けるような、この季節の定番酒となるお酒でありたいと、もっともっと力を入れて頑張ってまいります。どうか来年も、その先もずっと、可愛がってくださいますよう心よりお願い申し上げます。

3月9日(木) Tomo 記



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