〜 2月便り 〜

ちまたでカップ酒が流行っています。日本酒低迷と言われ続けてはや数年。そんな中でのこの現象はとても喜ばしいことです。ひと昔前の安酒のイメージとは打って変わって、今のカップ酒はとてもファッショナブル。カップなら、今の人々には少しわずらわしくも感じる「差しつ差されつ」ということもなく、本格的な純米酒なども多いことから、良いものをちょっとだけ飲みたいという気分に合うことが人気の理由のようです。

この勢いを受け、昨年末カップ酒コンテストが催され、北島も2品出品させて頂きました。しかし結果は惨憺たるものでした。1つは「酒は男を磨く水 180ml デカンタビン」。とても個性の強いお酒なので、評価は分かれるだろうなとある程度予測はしていましたが、“味と同じく個性的なデザイン”と思っていたビンには、「飲みにくい」とのコメントが。この点には素直に反省。外見だけではなく、基本的な飲みやすさを考えねばならないことを改めて痛感いたしました。もう一つは「しぼったそのまま一番酒 180ml 生カップ」。北島の商品の中でも最も人気のあるお酒のカップ版です。しかし、“絶対おいしい”と自信のあるこのお酒の評価もあまり良いものではありませんでした。結果表を見た私はショックを受け、主人に「どうしてこんな結果に?」と尋ねました。すると主人は特に驚く様子も無く、「一番酒」の審査員や鑑定官の評価が低いのは昔からやで ― 、との答えが返ってきました。

1年前、創業200周年を迎えるにあたって今後の方針を話し合おうと全従業員と蔵人さん達が集められたことがありました。杜氏さんに意見を伺った時の、“わしは、命をかけて造っとります・・・。”という最初のひと言。寡黙で、めったに話すことの無い杜氏のその声は、熱意と固い決心とで少しふるえていたようにも聞こえました。私はその時の声を一生忘れることがないと思います。そうやって命をかけて造られたお酒が、本物の酒でないわけがありません。鑑定者など一部の方に好まれるお酒も大切でしょう。(今は、そういうお酒ばかりがもてはやされる傾向にあるような気がしますが・・・。)しかし、普通の人々が普通に飲んで、素直に美味しいと思うお酒も大切だと、私は思います。審査員の方々に受けにくい理由 ― については、また改めて書かせて頂けたらと考えています。今回、良くない結果をホームページで公表してしまうのもどうかと迷ったのですが、正直に自分と、お酒と、そして皆さんと向き合いたいと思い、皆さんにお知らせさせて頂くことにしました。皆さんはどうお考えでしょうか?ご意見ご感想等、お聞かせ頂けると幸いです。

2月13日(月) Tomo 記



(C)KITAJIMASHUZO