〜 11月便り 〜


 10月29日土曜日、4人の蔵人さんがここ滋賀に揃われました。あいにくの雨の中、兵庫県但馬から6時間余りも車に乗って、本当にご苦労様です。そしてひと息つく間もなく、201年目の造りが始まろうとしています。

 半年前の4月、蔵人さんがここを去って行かれる時はまだ、上の子は自分の名前を「きたじま」と言えず、「きじたま」と言っていましたが、今ではちゃんとフルネームで言えるようになりました。「パカポコ」と言っていた「かまぼこ」ももう大丈夫です。(しかし「たまごどんぶり」はいまだ「たまごどんぐり」。「くつした」は「つくした」。可愛いのですが笑えます。)寝てるばかりの赤ちゃんだった下の子も、今では公園のすべり台もへっちゃらのやんちゃ娘に。毎年毎年のことですが、この半年おきの子供たちの成長を、子供好きな蔵の人たちはとても喜んで下さいます。半年間蔵にこもりっきりになる蔵人さんにとっては、子供をかまう事も数少ない息抜きの一つになるそうです。
 
蔵人さんが来られる少し前、10月14日、日頃お世話になっている地元の酒販店さんや業者さん(ラベル印刷屋さんやビン屋さんなど)、酒米を作って下さっている方々などをご招待して、創業200周年記念の小宴を開かせて頂きました。ひと言で200年とは言っても、山あり谷あり、どうにかここまでやってこられたのは、御代栄をご愛飲下さっている一人一人のお客様はもちろんのこと、この日お集まり下さった皆様の支えがあってこそと、本当に心から感謝しています。  
 
配達員さんはともかく、普段皆様と顔を合わせることのない私たちですが、この日一度だけ壇上に上がらせて頂いて、杜氏をはじめ従業員皆の顔を初お披露目させて頂きました。(緊張のためかお酒のためか、真っ赤になった顔もちらほら。)「超」が付くほど頑固職人の杜氏が、“実はお酒が飲めなくて、瓶のキャップに三杯でもう限界。”と話した時に起きた笑い。“でもきき酒には絶対の自信あり。” ― に沸き起こった拍手。この杜氏の手から御代榮は造られています。めったに聞くことの出来ない寡黙な杜氏のぽつぽつと話す言葉に、とても頼もしさを覚えました。後日、ご出席下さった方のお一人に“壇上の従業員の顔が皆、とても輝いていた”とおっしゃって頂いた時には、本当に嬉しかったです。

このパーティーで私たちが特に気を遣ったのは、いかに楽しく美味しくお酒を召し上がって頂けるか、ということと、いかにして私たちの感謝の気持ちをお伝えすることができるか、ということでした。はたしてお越し下さった皆様に楽しくお過ごし頂けたかどうか、とても気になるところではありますが、とにもかくにもお越し下さった皆様、祝宴の準備を手伝って下さった皆様、素敵な音楽を演奏して下さった皆様、そしてご愛飲下さっている皆様お一人お一人に、改めて心より御礼申し上げます。                

11月11日(土) Tomo 記



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