〜 10月便り 〜

 ようやく空気が秋色に染まってきた今日この頃、カレンダーはもう10月です。
毎年10月の始めの頃、大津プリンスホテルで、地元酒問屋のエスサーフさんが主催する大きな利き酒会があります。入場料500円で選りすぐりの日本酒と焼酎が思う存分試飲できるこの利き酒会、お客様にとっては酒の肴まで付いているというお楽しみ付きです。各蔵元はお酒の他にもおつまみを持参することになっており、そのおつまみは試飲用のお酒に混じって所狭しと並べられます。

 北島酒造でも、一昨年前まではお漬物などのおつまみを用意していたのですが、昨年初めて、飴玉サイズの小さな小さなおにぎりを用意してみました。日本酒はお米でできているお酒ですから、ご飯が合うのも当然ではあるのですが、「酒の肴」というイメージでは無いので、最初社内で提案した時には「おにぎり?」と怪訝な顔をされました。しかし、北島のお酒は何よりご飯が合う、とずっと思っていた私は、せっかく試飲して頂くならお酒とあての相乗効果でよりおいしく召し上がって頂きたい、と一つ一つ心を込めて作っていきました。

 昨年は、お酒の仕込み水(とてももったいない話なのですが、北島家ではお料理に使う水はもちろん、お風呂のお湯までこの仕込み水と同じ水なのです。)で地元産の新米を炊き、ご近所さんから頂いた手作りのしそを混ぜたものなど、3種類を用意しました。今年は、妹の所から分けてもらったコシヒカリに、滋賀県名産の日野菜と無添加の鰹を混ぜ込んだおにぎり。見た目は悪いかもしれませんが、安心して食べられます。召し上がられた方、いかがでしたでしょうか?

 ここ数年、食の安全というものが問われて久しいですが、生産者の顔が見えないというのがその大きな原因とも言われています。製造業である私たち蔵元も、直接お客様と接する機会は残念ながらあまりありません。このような試飲会など、一つ一つを大切に、出来る限り多くのお客様とのご縁を育んでいけることを、心から願っています。

さて、今月下旬には蔵人さんも蔵入りされます。また忙しい季節がやってきます。気を引き締めねば。寒くなる季節、どうぞ皆さんもお身体大切に。

2004年10月8日(金) Tomo 記
 



(C)KITAJIMASHUZO