〜 6月便り 〜

 様々な花が目を楽しませてくれる季節になりました。お庭では毎日、昨日とはまた違うのが花を咲かせています。この季節店内に飾っているのは、ほとんどが家の庭や裏の山沿いに咲いたもの。お花屋さんで買い求めてきた豪華なのも良いですが、こういう野の花のようなのもまたほっとして良いものです。

 さて、5月も末に近付いてくると、私たち多かれ少なかれ日本酒に携わる者は、心なしかそわそわとしてきます。そうです。ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、全国新酒鑑評会の結果発表があるのです。そしてこの平成16年度全国新酒鑑評会において、北島酒造はめでたく金賞を受賞をすることができました。従業員一同、ご愛飲いただいているお客様をはじめ、多くの方々のお力添えがあってこそのものと、心より感謝してやみません。

 まして杜氏や蔵人の喜びはひとしおであったと聞きます。発表の数日後に、当主と数名の従業員とで蔵人の住む兵庫県の但馬までお祝いの挨拶に行ったのですが、その時の歓迎ぶりは大変なものであったようです。

 本年度は全部で1049点の出品酒があり、そのうち278点が金賞を受賞したそうです。時々言われることではありますが、鑑評会で金賞を取ることだけが酒蔵の目的ではありません。もちろん、蔵の全精力を傾けて金賞受賞に挑む蔵元もありますが、逆に、お客様が普段口にされる日常酒にこそ力を注ぎ、鑑評会には一切出品しないという蔵元もあります。どの世界にも通じることでしょうが、私が北島へ嫁ぐまで携わっていた洋酒に関係する世界でもやはり同じことがあり、各種大会に出場して技術を磨く先輩から、大会には一切参加せず、お客様や日常の業務を第一とする先輩まで、様々でした。ただ一つ言えるのは、どの先輩も自分の仕事に絶対の信念と誇りを持っていたということ。日本酒も同じ。何事もそれぞれの蔵元の考え、姿勢です。しかしやはりいずれの考えにしろ、やるからには精一杯の力を尽くし、上を目指すこと。お酒を口にする時、このお酒を造った蔵元はどういう所なのかな、といったことをちょっと思いながら飲むのも、また楽しみの一つかもしれません。  

2004年6月14日(木) Tomo 記
 



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